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②水も滴るーーいい男?
そんな俺の目の端では、見たくもない目障りなほどの真っ白な生地がチラつく。
その純白の生地を目に入れると、否 が応 にも、ふんだんに取り付けられている白のレースとリボンが見えるわけで……。
気分は最悪。
それというのも今の俺は、『篠崎 亜瑠兎 』ではなく、『篠崎 花音 』なのだから――……。
ちなみに俺の左側には袴 姿の父さんと、右側には黒の着物を着た母さんがいる。
その母さんの隣には……考えたくもない。
俺が16の誕生日に母さんから手渡されたスーツと赤い蝶ネクタイを身につけた花音が平然と座っていた。
あ~、腹立つ!!
何に腹が立つかと訊 かれると、母さんの隣にしれっと座っている花音にではなく、花音のワンピースが問題なく着こなせる自分が何よりも一番腹が立った。
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