25 / 306

⑨水も滴るーーいい男?

 当主として、そして一家の主として、嘉門さんの自己紹介が終わった直後、見計らったかのように鹿威しがカコンッと鳴った。  淡々とした嘉門さんの紹介を受けた奥さんと月夜は、小さく会釈した。 「わたくしは、篠崎 昭雄(しのざき あきお)と申します。妻の(かおる)と、兄の亜瑠兎。そしてこの子が亜瑠兎の双子の妹、花音です」  嘉門さんに続いて話したのは父さんだ。  こちら側も父さんの紹介に合わせて会釈した。 「……ふふ。花音さんのことは亡きお祖父様からよくお伺いしておりました。本当におかわいらしいですのね」  早苗さんは小振りの赤い唇をマニキュアさえ塗っていない綺麗な指で隠し、俺の方を見て微笑んだ。  本来ならば綺麗な女性に容姿を褒められたんだ。嬉しいと思うだろう。  ――だが、俺は違う。

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

連載中
Lotus
【R18】恋も知らない君。人を疑うことも知らない君。無垢な君を、ただ愛して守りたい。
1,556リアクション
485話 / 737,474文字 / 238
2019/7/23 更新
大好きなアルファのそばにいたい暫定ベータのお話。
374リアクション
45話 / 29,547文字 / 620
2018/8/6 更新
平成最後の夏は…。
6リアクション
14話 / 3,187文字 / 20
2018/8/1 更新
ご当地警察☆オメガバース 「そのカジュアルな口の利き方をやめてもらおうか?」
1,702リアクション
151話 / 138,881文字 / 647
2019/5/6 更新
連載中
比翼の鳥
一年でいい。百万円であなたの情婦にしてほしい。
114リアクション
13話 / 24,163文字 / 20
1/26 更新
完結
余熱
絶賛インフル中のポジティブリーマン×余命半年の無口系患者。出会いは、病院の待合室だった。
22リアクション
2話 / 1,575文字 / 0
2019/12/11 更新