34 / 306

⑱水も滴るーーいい男?

「や、月夜さんが謝ることじゃ!!」  俺は噛みしめた唇を解き、慌ててうつむけていた顔を上げ、首を振る。  すると悲しそうに微笑む彼が目に入った。  そしたら、なんといえばいいのか……。  彼を守ってあげたいと、そう思ったんだ。  男に対して守るとか意味がわからない。  ……ああ、アレかもしれない。  弟が兄貴を慕うみたいな、あんな感じ?  ああ、きっとそうだ。  内心、うんうんと頷く俺。 「ありがとう」  眉をハの字にして悲しそうに微笑む月夜の顔は、憂いに満ちていた。  この人……きっと嘉門さんには毎日こうして抑えつけられているのかもしれない。  そう思えば、なんだか親近感がわいてくる。  こういう経緯でなければ、きっと親しい友人になれたに違いない。  純粋にそう思った。 「あ、庭見ました? 錦鯉が泳いでるんですよ。見てみません?」  なぜ俺はこんなことを言ったのだろう。

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

『嗚呼、兄様。次の世界でお会いしましょう』
5リアクション
3話 / 1,953文字 / 15
2017/5/27 更新
梅雨が明けた空の向こうには何があるのか。君と一緒に見に行きたい。
402リアクション
9話 / 10,000文字 / 403
2019/7/13 更新
双子が自己を確立していく物語。 / 情緒不安定な兄×情緒不安定な弟
2,921リアクション
24話 / 26,227文字 / 140
3/13 更新
受け同士の友情と愛情を描くエロ切ない物語(R18)
72リアクション
17話 / 33,026文字 / 0
2/7 更新
現世の人間に恋をした神様と、神様に恋をした人間が、幸せになるたった一つの方法。
100リアクション
23話 / 79,269文字 / 20
3/14 更新
社会人になっての初仕事は、異世界で性奴隷!? ふざけんな! 照れ屋の騎士団長×最強無敵の奴隷の物語
34リアクション
6話 / 8,053文字 / 0
6時間前 更新