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⑬嫁? 夫? 同居生活のはじまり

「俺を見て笑って……こっちは真剣なんだよ?」  あ、そっち?  おかしいなんて言うから、てっきり正体がバレたのかと思った。  取り敢えずほっとした。  どうやら俺は知らないうちに微笑んでいたらしい。  月夜に言われてはじめて気がついた。  俺に問うたそんな彼の眉間には皺が寄っている。 「あ、いや……別に馬鹿にしたんじゃない。なんていうか……かわいいなって思ったんだ」 「かわいい?」  慌てて返す俺の言葉に、月夜の眉間にますます深い皺が刻まれる。 「あ……いや、なんていうかさ……月夜って、何があっても動じないじゃん? いつも大人びて見えてさ、だけど固なとこもあったんだと思ったら自分と同じ人間なんだと思ってつい、嬉くて……」  ……俺、何言ってるんだろう。  そう思う反面、口が勝手に動く。 「俺だって普通の人間だし……別に、動じないということはない。 もし俺が落ち着いて見えるのなら、それは花音が忙しないだけだと思うよ?」

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