63 / 305

⑭嫁? 夫? 同居生活のはじまり

「……悪かったな。忙しなくて……。どうせそうだよ。慣れない正座で足がつったとか、池に落ちるなんてことも、普通なら滅多にないだろうしな」  池ポチャは俺だってはじめて経験したことだったよ。  どうしてだろう。  月夜の前だと普段やらかさない失敗をやってのける。  ほんっと俺らしくない。  友達からは、『いつもクール』で通っていたのに……。  気がつけば俺はベッドの件も忘れてそっぽを向いていた。  だって腹立つだろう? 『忙しない』とか言われてさ。  ……いや、本当のことだけど……。  だからって、ここでそんなこと言うのって……月夜、ムカつく。  意地が悪い。 「ごめん、違うんだ。嫌味ではないんだ。俺が言いたかったことは花音が『忙しない』ということが言いたいんじゃなくってね、新鮮だなって。つまり……だから……。なんて言えば伝わるかな。……つまりね、どんな時でも必死な君が可愛いなって……。いつも自分らしくある君が素敵だと、そう言いたかっただけなんだ」

ともだちにシェアしよう!