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⑭嫁? 夫? 同居生活のはじまり
「……悪かったな。忙しなくて……。どうせそうだよ。慣れない正座で足がつったとか、池に落ちるなんてことも、普通なら滅多にないだろうしな」
池ポチャは俺だってはじめて経験したことだったよ。
どうしてだろう。
月夜の前だと普段やらかさない失敗をやってのける。
ほんっと俺らしくない。
友達からは、『いつもクール』で通っていたのに……。
気がつけば俺はベッドの件も忘れてそっぽを向いていた。
だって腹立つだろう?
『忙しない』とか言われてさ。
……いや、本当のことだけど……。
だからって、ここでそんなこと言うのって……月夜、ムカつく。
意地が悪い。
「ごめん、違うんだ。嫌味ではないんだ。俺が言いたかったことは花音が『忙しない』ということが言いたいんじゃなくってね、新鮮だなって。つまり……だから……。なんて言えば伝わるかな。……つまりね、どんな時でも必死な君が可愛いなって……。いつも自分らしくある君が素敵だと、そう言いたかっただけなんだ」
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