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⑰嫁? 夫? 同居生活のはじまり
わからないけど、顔が……体が……熱い。
「花音?」
いつまでも無言だった俺が何を思っているのか知りたかったのか、月夜は俺の両肩を掴んだ。
俺と月夜が向かい合う。
だけどやっぱり月夜の顔を見られなくて、俯 いたままいれば……。
「花音?」
月夜は俺の顔を覗き込んでくる。
――だめだ。
見るな……。
今の俺、すごくヘンな顔をしている。
月夜から逃れようと思っても、両肩をとらえられているから逃げられない。
「……やはり……俺がソファーで眠ろう」
月夜の声が俺の沈黙をさえぎった。
「……っだから、なんでそうなるんだよ?」
俺はべつに月夜と一緒に寝てもいいって言ってるじゃないか!!
意見するため、顔を上げた俺は、月夜を見た。
……すると、月夜は――。
「うん? 可愛い花音を襲ってしまわないようにしなくちゃね」
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