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⑱嫁? 夫? 同居生活のはじまり
そう言った月夜はとても優しい笑顔をしていた。
月夜の言葉は男の俺からすると、とても不自然だ。
なにせ俺は月夜と同性。
だから大人しく襲われることなんてない。
危なくなったら月夜をぶっ飛ばしてでも逃げ切る自信はある。
だから大丈夫だとそう反論したいのに、彼があまりにも優しく笑うから何も言えなくなってしまった。
それを肯定だと受け取った月夜は、俺の両肩から手を外した。
「今日のご飯、何か取ろうか。何が良い? ピザ? それともお寿司?」
彼は話題を変えると、壁にかけてあった電話帳を手にした。
ー嫁? 夫? 同居生活のはじまり・完ー
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