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①似た者同士
◆第五話◆
視界が真っ白な湯気に覆 われる。
月夜 がソファーで寝ると言い張り、ピザを頼んだ夕食後。
月夜の後に続いて俺はこうして風呂に入っている。
ここのバスルームはとても広かった。
白と黒のモダンな造りは清潔感があって居心地がいい。
バスタブも両足を伸ばせるほどの大きさだ。
いつもなら、15分も経たないうちに風呂から上がるのに、今日は30分近くまで入って、ついつい長湯をしてしまった。
風呂から上がって、バスタオルを手に取る。
大雑把に体を拭きながら思うことは、やっぱり月夜のことだった。
風呂に入った俺の体からは白い湯気が立っている。
それなのに体の熱がこうしている間にも奪われていく……。
秋とはいえ、こんなに寒いんだ。
やっぱりソファーで寝るのはキツいんじゃないか?
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