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④似た者同士
部屋から出て行く月夜の後ろ姿を目で追う。
――ややあって、リビングに戻ってきた。
彼の手にはドライヤーが握られている。
「おいで、髪を乾かそう」
流れるような動きでソファーへと座り直す月夜の眉間に皺はない。
彼は微笑み、呆然と立ち尽くす俺を優しい瞳に写した。
「……いいよ。別に、ほっとけばすぐ乾くから……」
俺がそっぽを向いて言うと――。
「何か俺に言いたいことがあったんじゃないのか?」
月夜が問うてくる。
ああ、そうだった。
ここに来たのはけっして月夜に髪を乾かして貰うためじゃない。
ソファーで寝るのは止めろと言おうとしたんだった。
「…………あのな、月夜」
そのことを思い出し、口を開くと――……。
ポンポン。
月夜はソファーを叩いた。
彼は、『こちらへ来い』と催促している。
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