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⑦放課後は大波乱!
だけど内心はそうじゃない。
すごくドキドキしている。
心臓をわし掴みされたみたいに苦しい。
でも、怖じ気づいているってことを悟られたくはない。
だって負けたくないんだ。
こんな、卑怯な奴らに……。
俺は負けじと男子3人を睨 んだ。
「葉桜 月夜と許婚だと困る人がいるんだよ。だからさあ、許婚を解消してくれない?」
「………………」
そりゃね、俺だって許婚を解消してほしいと思っている。
だけど他人にとやかく言われたくない。
なんかムカつく!!
「嫌だって言ったら?」
苛立ち紛れに答えれば……。
「じゃぁ、仕方ないよね」
その言葉を合図に、倉庫の扉が閉まった。
そこは瞬く間にオレンジ色の夕日は消え失せ、黒と灰色の世界になった。
――直後。
俺は両腕と足。
それに腰を固定されて、体が動かせなくなった。
「はなせっ!!」
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