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⑪放課後は大波乱!

 俺は自分に言い聞かせ、よろつきながらもなんとか月夜に近づくと、彼の腰にしがみついた。  殴るな!  殴っちゃダメなんだ!!  心の中で、そう叫びながら……。 「花音!?」  月夜は突然後ろから抱きつかれてびっくりしているんだろう。  上ずった声が俺の頭上から聞こえた。 「殴ったらだめだ!! 月夜が……苦しい立場になるから!!」  俺は必死になって月夜にしがみつく。 「くっそ!!」  そんな俺と月夜のやり取りに隙を見つけた男子3人は、突っ切って逃げていった。  3人のドタドタと忙しなく走り去る足音を耳の端で聞いた。  ――男子3人が逃げた後、ややあって月夜の両肩から力が抜けた。  彼はただ漠然と俺を見下ろしている。  どうやらあの男子たちにどうこうするのを諦めてくれたらしい。  とりあえず、よかった。  ホッとして月夜から離れた。

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