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⑮放課後は大波乱!

 これは月夜のブレザーだ。 「月夜なにしてっ!!」 「寒いでしょう? 着ておきなさい」  優しく微笑む月夜に、思わず、『うん』と、うなずきそうになる。  だけど――。 「だめだって!! わたしのはここにあるから!!」  俺が示したブレザーは、無残にもボタンが引き千切られている。  今や真っ白いカッターシャツが見えていた。  このブレザーを見ると、また、さっきの恐怖が蘇ってくる。 「これは……あとでボタンをつけ直そう」  月夜も俺の心情を知ったのか、口を開いた。  そして見るも無惨なブレザーを俺の体から抜き取った。 「……月夜? でもそれじゃ、月夜が寒いじゃないか!!」  俺が月夜の手からブレザーを奪い返そうと手を伸ばせば……。 「う~ん、じゃあ、あたためてくれる?」 「へ?」  月夜の言葉に、なんとも間の抜けた声が出た。

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