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②眠れない!

 孤独感が俺を襲う。  なんか、すごく怖い。  恐怖が俺の心を蝕んでいる。  ひょっとしてこの暗闇が悪いのだろうか。  あの倉庫を連想させるから……。  そういえば、この季節独特のひんやりとした夜気も倉庫とどことなく似ていているかもしれない……。  目をつむれば、ボタンの引き千切られる音が聞こえてくるような気がする。  胸のリボンが解かれる音が耳から離れない。  どうしよう。  すごく怖くなってきた。  電気をつけたい。  この暗がりをなんとかしたい。  だけど部屋を明るくすれば月夜に気づかれる。  彼を起こしてしまう。  月夜は学校だけじゃなくて華道家としての仕事がある。  きっと疲れているはずだ。    ただでさえ、今日、月夜にはとても迷惑をかけたんだ。  この上、また起こしてしまったら迷惑以外の何者でもない。 「…………」  情けない。  俺ってこんなに弱虫だったっけ……。  たかがボタンを引き千切られたくらいで、こんなにウジウジ考えちゃってさ。  男なんだから、別にいいじゃん。  同性に上半身くらい見られたって減るモンじゃないし!

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