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⑨眠れない!

 早く言えと、急かしたりしない。  俺が言い終えるまでジッと待っていてくれるんだ。  俺はそんな穏やかな月夜が……。  優しく微笑む月夜が……。  涙をぬぐってくれる月夜が……。 「……っつ」  ……うう。  だけどさ、好きって口にするのって恥ずかしい。   あの、俺ものすごく恥ずかしいんですが……。  そんなに見ないで――。  両腕で顔を隠す。  ……だけど月夜の両腕によって解かれた。  月夜の顔が近づいてくる。  ドクン、ドクン。  心臓が破裂するんじゃないかっていうくらい、思いきり跳ねる。  もうムリ。  限界だ。 「好き」  ありったけの勇気を出して告白した俺。  そんな俺を、月夜は確かめるようにジッと見つめてきた。  どうしよう。  俺の顔、とても熱い。  きっと真っ赤になっているに違いない。  ドクン、ドクン、ドクン。  鼓動が止まらない。 「……や、だ! も、見るな……」  そんなに見るなよ!  もう恥ずかしすぎるっ!!  俺を射貫くような月夜の視線に耐えられなくて、ぐっと目をつむれば……。 「俺も、花音が好きだよ」

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