133 / 305

⑬眠れない!

――え?」 「だからっ!! 月夜は自分のことがあるだろ? わたしのことまで心配させて、気を使わせたくなかったのっ!!」  だ――っ、もう!  月夜はなんでここまで言わせるの?  恥ずかしすぎるだろっ!!  ヤケになった俺は、深夜だってことも忘れて大声で怒鳴った。  それから言い終わるとすぐに体を横に倒し、月夜から背を向ける。 「もう、ヤだ!」  体が熱い。  いや、それだけじゃない。  顔も発火するんじゃないかっていうくらい、ものすごく熱い。  ドクン、ドクン。  ……まずいな。  俺、今すっごく顔赤いんだろうな。  ドクン、ドクン。  どうするんだよ。  心臓バクバク言ってるし!!  押し寄せてくる恥ずかしさに耐えている俺。  すると突然、上から影が被さってきた。 「……へ?」  なに?  上を向いた俺が馬鹿だったんだ。 「……っん!!」  また……口を塞がれてしまった。

ともだちにシェアしよう!