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②良くも悪くもドキドキ。

「そんなに驚くことでもないと思うんだけど……」  月夜がクスリと笑う。  やっぱ月夜って大物だわ。  周囲の視線も気にしてない。  だけど俺は無理!  注目なんて今までされたことねぇし!  それに今、俺の隣には好きな人がいるわけで……。  頭の中がグルグルする。  っていうかさ、デートの約束とかここでするなよ!  ふたりきりになった時にしてくれよ!  そもそもほんの15分前までふたりきりだったじゃん。  その時に言えばいいじゃん!  どうして家で言わないの!?  なんで月夜はこう、公衆の面前でサラリと言えるんだよっ!! 「嫌だった?」  嫌?  違う違う。  月夜とデートするのは嫌じゃない。  そうじゃなくて……。  あまりの驚きで声が出せず、頭をブンブン振って否定する。  そしたら……。  グイッ。 「うわわっ」  月夜に腕を引っ張られた。  俺は呆気なく月夜に抱きしめられた。

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