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④良くも悪くもドキドキ。
「ベッドに押し倒したくなるのは目に見えているんだ」
「…………お、おしっ!?」
平然と言う月夜の言葉にドモった。
恥ずかしさのあまり口を腕で隠すと……。
「ね、そういう顔するでしょう? だから困るんだよ」
「っ知るか!!」
……恥ずかしくて恥ずかしくて……。
ひょっとして、顔だけでお湯が沸くんじゃないかっていうくらい、熱い。
だから俺は月夜の腕を振り払って歩き出した。
――なんなんだよ。
なんなんだよ!
月夜がこんな奴だとは思わなかった。
もっと奥手っていうか……ゆっくりっていうか……。
額だけどキスとか……公衆の面前でしたりしないって思っていた。
ボンッ!!
「……っつ!!」
月夜とのキスを思い出したらまた顔が熱くなった。
………………早く……学校に行こう。
行ってしまおう。
すぐ後ろでは月夜がクスクス笑っている。
耳の端に入れながら、大股で歩いた。
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