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②ズキズキを胸に秘めて。

「別にいいよ、なんか用事?」  ――用事なんて知っている。  聞くまでもない。  今日、ずっと貴方を見ていたから……。  月夜の用事は女子からの告白だ。  ――昼休憩中だったかな。  また違う女子から呼び出しがあって、『放課後に話したいことがある』って聞こえた。  たぶんそういうことなんだろう。  知らないフリをするのは、月夜のことは別に何とも思っていないよって虚勢(きょせい)を張りたいだけ……。  どんなに苦しくても――。  どんなに側にいてほしいと思っても――。  けっして口に出さない意地っ張りな俺。  だけど本音は違う。  願って止まないのに口に出せない。  女子に呼び出された月夜の顔なんて見たくない。  俺はそっぽを向いてカバンに筆記用具を仕舞っていく……。  馬鹿だな、俺。  気にしないとか……嘘ついて。  月夜と一緒にいられる時間は少ないのに……。  俺の性別なんてきっとすぐにバレるのにさ……。  だってどう考えても男の俺が女子の中にいるのは不自然すぎる。  月夜とは、もうすぐ終わる。

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