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⑥はじめてのデートは甘くて苦いカカオの味。

 ひとつ月夜のいいところを発見するたび、月夜に対する想いは大きくなっていく。  嬉しい。  今日一日、月夜と一緒にいられるんだ!  勇気を出してお願いしてみた甲斐があったというものだ。  だけどさ、顔が熱い。  自分から強請るなんて恥ずかしい。 「ほんと? だったら用意しなくっちゃ」  俺は月夜の視線から上手く逃れるもっともらしい方法を探して背中を向けた。  すると――。  グイッ! 「わっ!」  俺の腕が後ろから引っ張られた。  同時に俺の体勢がまたグラつく。  俺、またコケるのかよッ!!  後頭部直撃かと思いきや、『ぽすん』と音を立てて、体が地面に衝突する前に受け止められた。  月夜の、腕によって……。 「花音、可愛い」 「――っかわっ!?」  耳元で囁かれた息が耳孔をくすぐる。 「……んっ」  って……俺ってば何ヘンな声出してんの!?  いやらしい声を漏らしてしまった自分が恥ずかしい。

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