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⑦はじめてのデートは甘くて苦いカカオの味。
こんな女みたいな声、ぜったい俺じゃない!!
「その声も反則……」
体がビクンってする。
月夜の一挙一動に俺の全身が震える……。
「つきっ!!」
やめて、もう放して。
恥ずかしい!
恥ずかしくて顔を俯けると――。
首筋にやわらかな何かが当たった。
その感触は柔らかいけれどちょっと弾力があって……。
何だろう。
俺がこの感触の正体について考えている暇もなく、今度は噛まれた。
「あっ!! 月夜!?」
月夜の歯が俺の首筋を刺激する……。
「何を!?」
俺はやっとのことで月夜から離れることに成功した。
だけど口はパクパク開閉して、もう話をするどころではない。
「キスマーク。これから外出するんだ。花音が他の男に取られないようにしなくちゃね」
「ん、なっ!?」
ドックン。
にっこり笑う月夜に、俺の心臓が大きく高鳴った。
口づけられ、甘噛みされた首筋がジンジンする。
月夜のシルシ。
首筋に付けられた!?
どうしよう。
嬉しいけど恥ずかしい。
もう俺、死にそう……。
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