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⑬はじめてのデートは甘くて苦いカカオの味。

 女性に言い寄られて、へらへらしちゃってさ!!  俺の鋭い視線を感じたのだろうか。  女性はくるりと月夜から俺へと向けた。  大きな目をいっそう見開き、輝かせている。  なんだ?  なんだかとても嫌な感じがするのは俺の気のせいか?  思わずたじろぐ俺。  すると――。 「何? この娘!! かっわいい!!」  ぐわしぃぃ!! 「ぐっふ」  今度は俺が、彼女の腕の中に捕らわれる番だった。 「あ、あの!!」 「ココノさん、あまり彼女を抱きしめないで俺の大切な人だから……」  慌てふためく俺の耳に、月夜の静かな声が聞こえる。 「え? 月夜くんの? ということは……まあ、この娘が月夜くんの!? うそうそ!! や~ん、やっと会えたわ~!!」  ぎゅううううううう!!  抱きしめないでと月夜が言っているにもかかわらず、俺の体を尚も締めつける。  月夜の話ぜんぜん聞いてない!  っていうか、さっきより抱きしめる力が強くなってるしっ!!

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