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⑲はじめてのデートは甘くて苦いカカオの味。
俺が落ち込んでいる理由。
俺のすっげぇ嫌な部分を好きな人にさらけ出すの?
それはちょっと情けないというか、心苦しいというか。
もし、これで月夜に嫌われたらってそう思うと悲しい。
だけど、このまま月夜が悲しい気持ちになるのは嫌だ。
いつまでもウジウジするのは俺らしくないよな。
よし!
「月夜!!」
決意した俺は隣を歩く月夜から一歩大きく足を踏み出し、前に立った。
オレンジ色の夕日が、まるで月夜を賞賛するかのように照らし、蜂蜜色の綺麗な髪が夕日と溶け込んでいる。
とても綺麗だ。
「うん?」
そんな月夜は首をかしげて俺を見つめているわけで……俺の心臓はまた、ドクンと音を立てて跳ねる。
「……っつ…………あの……わたし……」
恥ずかしい。
自分のことを話すのって、『好き』って言う時よりもずっとずっと緊張する。
だけど……。
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