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⑫ライバルは突然牙をむく。

 ……そう、だよな。  やっぱり同性からの告白なんて気持ち悪いだけだよな。  野郎に告白された月夜はさぞ不快な思いを抱いていることだろう。  だけどこの想いだけは誰にも否定されたくはない。  冷たい沈黙が流れる。  泣いちゃだめだ。  まだ泣けない。  奥歯を噛みしめる。  だけど……ダメ。 「……ひ……」  嗚咽が漏れてしまう……。  涙で視界が揺れる。  地面に落ちていく……。  どれくらいの時間が経っただろう。  永遠とも思われるとても長い沈黙が続く。  その沈黙を破ったのは月夜だった。 「言いたいことは、それだけ?」 「……っ!!」  冷たい月夜の声が俺の頭に響く。  ……怖い。  俺を軽蔑する月夜の言葉なんて聞きたくない。  でも、花音だと偽って月夜を傷つけたのは俺だ。

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