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⑪優しい王子様との付き合い方。
「――っつ!! っ知るか!!」
今の俺は火を噴いてしまうほど熱い。
絶対、真っ赤だ。
ガバッ!
俺はまた恥ずかしくなって毛布を引っ被った。
……どうしよう。
月夜に抱かれたらこの関係が崩れると思った。
月夜は俺が女子とは違うことを再確認して、『やっぱり亜瑠兎とは付き合えない』って言われると思った。
それなのに……。
月夜に抱かれて……。
愛を告げられて……。
俺は今、こんなに幸せ。
――だけど、いずれはこの恋を諦めなければいけない時が来るのは知っている。
……その時、俺はあなたから離れることができるだろうか。
わからない。
わからないけど、ハッキリしてるのは月夜がすごく好きってこと。
俺ね、貴方のためならなんでもできるよ?
素直じゃないけど。
恥ずかしがり屋だけど。
それくらい、月夜のことが好きだ――。
《第14話・優しい王子様との付き合い方。・完》
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