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④優しい王子様との付き合い方。
月夜が好きすぎてどうにかなってしまいそうだ。
ドクン、ドクン。
さっきから飛び跳ねてばかりいる俺の心臓。
だけどせっかく両想いになったんだ。
俺だって好きって言いたい。
言え!
言ってしまえ!!
俺は自分を励まし、恥ずかしい気持ちをどうにかしようと踏ん張る。
「つき、や。あの……俺……」
ドクン、ドクン。
大きく鼓動する心臓。
俺は必死に言葉を紡いでいく。
……だけどやっぱりムリ!
恥ずかしい!!
月夜を大事にしたいのは本当だ。
でも恥ずかしくて自分の気持ちが言えない。
もう俺、どうしたらいいんだよ!!
「亜瑠兎?」
途切れ途切れに話す言葉の続きを促 してくる。
月夜を不安にさせたくない。
だけど恥ずかしい。
色んな気持ちが俺の中で交差する。
「……うう」
意気地がない俺は、やっぱり口ごもってしまう。
俺のうなじに月夜のあたたかな吐息が触れる。
「……っつ」
ええいっ!
もう知るか!!
言ってやる!!
「俺も好きだからっ!」
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