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⑬俺が王子様のためにできること。
「…………」
……やっぱりだ。
当然そうなるだろうって思っていた。
俺は納得しきれない自分の思いを隠し、お辞儀をして嘉門さんから背を向けた。
――これで、月夜とは最後。
もう二度と会えない。
月夜の顔、もう。
見られないんだ……。
俺は悲しい想いを胸に秘め、月夜がいるマンションへと戻った。
月夜に、『さよなら』を言うために……。
《第16話・俺が王子様のためにできること。/完》
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