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㉑『大嫌い』は大好きの裏返し。

 だから悲しみに打ちひしがれた俺はもう抗えなくて、自分の気持ちに従った。  コクンと頷けば、月夜は俺を抱き締めてくれる。  俺、月夜がすごく好きだ。 「月夜――――」  そうして俺がどれだけ月夜のことを深く想っているのかを実感したその日、大好きな人の腕の中でたくさん泣いた。  月夜のあたたかな体温をその体に感じながら……。 ――第十七話・俺が王子様のためにできること。・完――

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