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③俺だって!!
それともうひとつ――。
『少し出かけてくる』
――の文字も……。
少し、ねぇ……。
月夜の出かけた先は知っている。
だって昨日、俺はたしかに月夜の口から月夜と俺の問題を嘉門 さんと会って直接話すって言っていたから……。
おそらく月夜は、嘉門さんと話をするために外出したに違いない。
そのことを手紙に記さなかったのは、俺に心配をかけさせたくないための月夜なりの配慮だと思う。
だけどさ、月夜。
俺だってずっと月夜を見ているんだ。
お前の考えくらいは、わかるよ?
ひとりで嘉門さんに会いに行くなんて水くさいじゃないか。
だってこれは俺と月夜の問題であって、月夜だけの問題じゃない。
俺にだって月夜と同じものを背負わせてほしい。
俺は、月夜にとって息抜きができる憩 いの場のような存在になりたい。
だからただ守られるだけなんて嫌だ。
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