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⑤ふたたびやって来ました月夜の実家。
――緊張。
していたんだけどな……俺。
緊張で窒息 しそうだったのに、早苗さんとこうしているだけで胸の支えが消えていく……。
――この感覚。
はじめてじゃない。
どこで感じたんだっけ……。
ああ、そうか。
月夜だ。
この感覚、月夜といる時と同じなんだ……。
確信すると、俺の胸がトクンと大きく跳ねた。
ほんの少しでも月夜のことを考えただけで今すぐ会いたくなる。
もう会いたくなっている。
月夜の声を聞きたい。
月夜の微笑む顔を見たい。
月夜の腕を――。
月夜の吐息を――。
俺のすべてで感じたい。
う~ん、だけどさ。
俺、よくこんな状態で昨日、月夜と別れようって思えたよな……。
こんなに月夜に会いたいって思っているのにさ。
俺、月夜と別れるの、どう考えたってムリじゃん。
今さらながらに苦笑してしまう。
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