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①あなたと俺の相愛数。
◆最終話◆
ドキドキしながら月夜 の実家にやって来た俺は、たまたま買い物から帰ってきた早苗 さんと出会し、なんとか家の中に入れてもらえた。
そして俺は今、何をしているかっていうと――……。
「あ……あのっ!! 早苗さん?」
慌てふためく俺をよそに、早苗さんはせっせと手を動かしていた。
それというのも――実は俺。
今、着物を着せられているのだ。
しかも女性用の着物を――。
それも――白無垢。
「いいからいいから……」
早苗さんは、それはそれは楽しそうにしている。
ここは10畳にもなる畳部屋。
「この衣装、わたしが嘉門さんとの結婚式の時に着たものなのよ?」
鼻歌でも聞こえてきそうなくらい楽しそうな早苗さんに対して、俺の方は、といえば――この白無垢同様頭が真っ白だ。
――俺、さ。
どうして白無垢を着せられているんだろうか。
結婚式でもないし、況 してや男の俺が着せられるものではない。
――というか、そもそも俺は月夜を追いかけてきたんだ。
早苗さんに着物を着せてもらうために来たんじゃない。
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