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②あなたと俺の相愛数。
ああ、どうしよう。
こうしている今頃も、月夜は俺のことで嘉門 さんに怒鳴りつけられているかもしれない。
そんなの嫌だ。
俺のせいで実の父親と喧嘩するなんて、俺には耐えられない!
「あのっ! 早苗さ……」
「はい、できた……」
月夜に会いたい。
そう言おうとした直後、早苗さんの手が離れた。
彼女は白無垢を着た俺を見てとても満足げだ。
目を細めて微笑んでいる。
「綺麗……やっぱり亜瑠兎ちゃんの黒真珠のような髪には白が映えるわね」
「え? あ、ありがとうございます」
たぶん、褒めてくれているのだろう。
俺は早苗さんの言葉に頭を下げた。
「――――」
――じゃなくって!!
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