295 / 305

⑦あなたと俺の相愛数。

 俺の肩が小さく震える。  するとあたたかな手が添えられた。  早苗さんだ。  早苗さんが、涙を流す俺の肩を優しく包んでくれている。  それが余計に嬉しくて、また新たな涙を流してしまう。 「許さんぞ!! お前がここから出ていくこともだ!!」  ああ、やっぱりダメなんだ。  嘉門さんはどうやっても俺との仲は認めてくれない。  それはそうだろう。  だって葉桜家は先祖から代々受け継がれている格式高い家柄だ。  同性と恋愛なんて世間の枠組みから外れたことが許されるはずはない。  落胆してしまう俺の肩に、早苗さんの手に力が入った。  俺が早苗さんを見上げたその時だ。 「……彼を秘書につけろ!! そんなに一緒にいたいならお前が責任を持って彼に秘書の資格を取らせろ!」  静かな座敷の中、嘉門さんの声が大きく響いた。  ――えっ?  驚いたのは俺だ。  嘉門さんの言葉を耳にした瞬間、俺は早苗さんから視線を外し、顔を上げた。 「当然、許嫁の件は白紙に戻す。彼を一度家に帰し、再度お前がいる峰空高校(ほうくうこうこう)へ編入させる。――もちろん、男としてだ。はざくらの跡継(あとつ)ぎは月夜、お前だ。この責任はお前がとれ。わたしはこの件に関しての責任は一切負わん。わかったな?」

ともだちにシェアしよう!