16 / 73
第16話
「壮太、どうする?まだ欲しいんじゃないの?」
「……」
葵は壮太の心の中を何でも見通してくる。
達しても、体はまだ葵を求めている。
熱くて熱くて仕方ない。
この熱をどうにかしてほしい。
こくん、と頷き、葵の手にそっと添える。
「葵さんのも、ほしいです」
「そっか」
葵は手を離し、壮太の頭を優しく撫でた。
葵の温かい手のひらを感じ、それだけで幸せな気持ちになる。
「素直でいい子だね。お尻こっちに向けて。理人くんのはちゃんと綺麗にしてあげるんだよ」
はい、と答え、壮太は体勢を変えた。
体を動かしている最中に中から熱い液体が流れ、足を伝うが気にする余裕はない。
「理人、舐めていい?」
「え、あ、うん……」
もっとほしい。
その一心で葵の言う通り理人のものを口に咥えた。
丁寧に舌を使って舐め、綺麗にしていく。
精液の独特の味が口内に広がるが今はあまり気にならない。
むしろもっと欲しいとさえ感じてしまう。
もっと欲しい、その思いで舌を這わせ、刺激を与え続けると少しずつ理人のそれが元気を取り戻してきた。
「本当、節操ないね、壮太」
尻付近に固いそれが当たるのを感じた。どくん、と心臓が高鳴る。
「壮太、もっとよがってごらん、ほら!」
「ふあっ!あッ!」
刹那、一気に奥まで貫かれた。
突然のことで体が反応できず、理人の男根が喉奥まで到達し、思わずむせてしまった。
だがそんな壮太のことなんてお構いなしに葵は腰を打ち続ける。
一度達した体は敏感で、すぐに頂点間近まで快感が押し寄せた。
「あ、あ、出ちゃう、ああ、」
「それは、まだ早いんじゃない?」
ぴたり、と葵の動きが止まった。
果てそうになった瞬間だったため、もどかしさを覚える。
この体にこもる熱をどうしてくれるのだろうか。
「早漏な壮太にはこれをプレゼントしようかな」
どこから取り出したのか、葵が持っていたのはコックリングだった。
初めて葵としたときに使ったあれだ。
葵はそれを壮太の男根に装着し、欲望を放つことを禁止してしまった。
「オレがイったら外してあげるよ」
「そんな、んあッ!ふ、うぅ……!」
体が熱い。
イきたくてイけないもどかしさに頭がおかしくなりそうだ。
葵のピストン運動がどんどん激しさを増していく。
理人のものは咥えているだけで精一杯だが、突かれるたびに喉奥に突き刺さり、嗚咽しそうになる。
「や、怖い、やだ、やめて!変になる!」
頭の中が真っ白だ。どんどん体が熱くなり、体が小刻みに震え始めた。
「怖くないよ、壮太。イきな」
「あ、あ――――ッ!!」
びくん、と体が大きく跳ねた。
全身を雷にでも打たれたかのような衝撃が走った。
中イキしてしまったらしく、達したにもかかわらず体が火照って熱いままだ。
「や、やだ、イッた、あ、ああ!」
「だから、まだオレがイってないでしょ」
中イキしたにも関わらず、葵は容赦なく壮太を攻め立てる。
強い快感に涙が溢れ、止まらない。
理人に助けを求めてみても、情け無用、といった表情で壮太を見下ろすため助けを求めることすらできない。
何度イッただろう。
もう何も考えられないくらいにぼうっとして、気持ち良さだけが壮太を支配しているようだった。
「壮太、出すよ」
「出して、葵さん、いっぱいください、全部、ちょうだい!」
激しく一突きにされたと同時にドクドク、と中に熱い液体が注がれた。
理人も達したらしく、口の中に苦い味が広がる。
一滴も零すまいと、ぼうっとする思考の中で必死に舌を動かす。
「約束だね、外そうか」
そう言ってコックリングが外されると、葵は壮太の男根を握り、上下に手を動かし始めた。
高まった快感に加えられたその刺激だけで壮太は簡単に達してしまった。
我ながら情けないが、今はそれを感じることもできず、欲を放つとぐったりと葵に寄りかかり、体を預けた。
「どうだった?理人くん」
「いや……最高でした」
「それはよかった」
で、と葵は壮太の頭を撫でる。
「どうする?壮太。優しくされたい?酷くされたい?」
にっこりと笑う葵の表情にぞくぞく、とした。もっと触れてほしい。
もっと気持ちよくなりたい。そんな思いで一杯だった。
ちらり、と理人を見る。
理人も相当よかったらしく、頬をまだ赤らめて壮太の返事を待っている様子だった。
「酷くしていいから、もっと欲しい」
「お前、ほんとドエムだよな」
理人が苦笑している。
呆れられただろうか。
それでも今は構わない。
快感が与えられるならなんだっていい。
もっと温もりを感じたい。
熱を与えてほしい。
もっともっと、熱くなりたい。
「壮太、おねだりできるよね?」
葵の言葉にうなずいて、壮太は静かにゆっくりと足を広げた。
ともだちにシェアしよう!