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第25話

葵の指が体を這う。 触れられた部分が熱を持ち、それだけで体が疼く。 布団に背を預けた壮太は葵の愛撫で体を捩じらせていた。 寝室に散乱した参考書の上に壮太の着ていたTシャツがふぁさり、と落ちる。 こんなことならもっと真面目に片付けておけばよかった、と心の底から思ってしまう。 好きな人にだらしのないところを見られてしまうだなんて、とても恥ずかしい。 「ん、」 旨の突起を甘噛みされて、思わず声が漏れ出る。 今までの葵と違い、愛撫がとても丁寧で、前戯が長い気がした。 いつもなら最低限度で前戯を済ませ、下半身を虐め始めるのに。 だからだろう、壮太の下半身がそれを求め、それを期待し待ち望んでうずうずしている。 「葵さん、じれったい」 「うん、知ってる」 もう一方の突起を甘噛みし、葵はにっこりと微笑んだ。 「壮太がどのくらい我慢できるのか、見てみたくて」 「もう、できないです」 壮太は自らチャックを下ろし、ズボンを脱ぎ始める。 本当に、もう限界なのだ。若者の性欲をなめないでほしい、と葵に文句を言いたくなるくらいに、だ。 「葵さん、抱いて?」 潤んだ瞳で懇願すると、葵ははぁ、と溜息をつき、苦笑を浮かべた。 「壮太、お願いだからその顔、オレ以外には見せないでよ。理人くんとかさ」 葵は壮太の下着を脱がすと床に静かに落とした。 「あ、オレがいないときは理人くんとしないでね?」 「しませんよ、もう」 壮太は葵を抱き寄せ、近付いたところでちゅ、とキスをした。 「オレたち付き合ってるんですよ?他の誰かとするなんて、有り得ないでしょ」 もう一度キスをして、壮太から舌を絡ませた。 早くほしい、と葵を誘ってみるとそれに乗ったかのように葵も舌を絡めてくる。 厭らしい水音が部屋に響く。 その音を聞くだけで下半身が疼いて仕方ない。 ああ、早くほしい。 葵のそれで奥まで貫いてほしい。 「葵、さん」 キスを止めて葵から手を離すと、壮太は四つん這いになって葵に尻を向けた。 どうすれば葵がすぐにその気になるのか、短い付き合いの中で学んだことは、とにかく自らおねだりすることだった。 おねだりしないと葵は何もしてくれない。 酷い時は平気で放置プレイをかまし、自らは本を読んで時間を潰す。 もうそんなこと絶対にしてほしくないのであれ以来、壮太は自分から強請るようにしているのだ。 腰を上げ、尻穴を自らの指で広げて見せる。 恥ずかしいけれど、それよりも葵が欲しいという気持ちが先行していた。 「ここに、葵さんの入れて」 これだけではダメならば、と壮太は人差し指を挿入し、中を広げ始めた。 「この中、ぐちゃぐちゃに掻き回してほしい。葵さんの、ほしい」 もう一本指を追加し、中を慣らしていく。 羞恥なんて感じている余裕はない。 誘惑すれば葵はきっと乗ってくれる。 今までだってそうだった。

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