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第26話
「葵さん……」
切なく名前を呼ぶ。
尻孔も男根も、もう両方が限界だった。
壮太の男根はすぐにでも達してしまいそうなくらいに腫れあがっている。
「壮太、そのままほぐしてて」
「んあっ、」
男根を温かな大きな手で覆われて、ゆるく刺激が与えられた。
それだけで先走りが零れ出る。
「ん、んぅ、あぁんっ……!」
「冗談抜きで限界なんだね」
そう言うと、葵は手を離してしまった。
あと少しで達しそうだったのに、何故止めてしまったのか。
きっとわざとなんだろうけれど、前も後ろも疼いて仕方ない。
「葵さん、なんで……」
後孔から手を外すと壮太は起き上がって葵を睨んだ。
何故そのような意地悪をするのか、分からなかった。
「もっと気持ちよくなろうか」
そう言って葵がポケットから取り出したのは、葵がよく使ってくるコックリングだった。
ここへ来て射精をさせないということに、壮太はあからさまに拒否反応を示した。
苦しくて、早く達してしまいたいのだ。そんなもの、つけたくない。
「壮太」
名前を呼ぶと、葵は壮太を押し倒し、後ろ孔に指を挿入してきたくちゅり、と音を立てて中が少しずつ広がっていく。
「随分柔らかいけど、理人くんと何回やったの?」
「ん、……、やって、ない」
壮太は声をあげながらもなんとか答えた。
確かに理人とやるときもあるけれど、あの日三人で行為を行ったのを最後に理人とは行っていない。
葵のことばかり考えてしまい、とてもではないけれど、他の人と性行為をするなんて考えられなかった。
「一人で、してた」
白状すると、葵はふふ、と笑みを漏らした。
何を意味するのかは分からないが、機嫌は良さそうだ。
もう本当に限界で、仕方なく前を触ろうとするとパチン、と手を叩かれてしまった。
「酷くされるの好きでしょ?」
「……」
それは否定できなかった。
マゾッ気のある壮太は初日も葵に酷くしてほしい旨を伝えていた。
今も、射精を許されないことを辛いとは思うけれど、それで葵を憎んだりはしていない。
辛い気持ちと、それを快感に思う自分がいたからだ。
「ああ、壮太は放置プレイが好きだったね」
「や、やだ!」
離れようとする葵のワイシャツを必死につかんで壮太は首を横に振った。
酷くされるのは好きだが放置プレイは好きではない。
初日にそれを痛感したのでここで放置プレイを食らいたくはなかった。
「する、から、葵さん!」
「ああ、ほんと?じゃあ、」
にっこりと葵は微笑むと、壮太の竿にコックリングを通し、根本で固定してしまった。
圧迫感の窮屈な感じと、射精を制限されていることで壮太は頭がおかしくなりそうだ。
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