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山下友治 7

「家に連絡入れときますね。実家暮らしなもんで」 「うん、友達の家に泊まるって伝えときな」 でも、それに付き合う理人もきっと、同じ部類の人間なんだろう。 なんとなく、そう思った。 「あれ?お持ち帰り?」 壮太を膝枕して葵がにっこりと爽やかスマイルを浮かべて尋ねてきた。 地獄耳か、と思わず突っ込んでしまいたくなる。 完全に聞こえないと思い油断していた。 ラインで連絡を終えた理人がスマホを置き、ふふ、と笑う。 「理人帰るなよー」 「まだ帰らないよ」 壮太がむくり、と起きてだだをこね始めた。 まだ懲りずにカルーアミルクをちびちびと飲みながら、心配そうに理人を見ている。 壮太と理人の関係性が今一つよく分からない。 親友とは言っていたけれど。 「どうせ帰る家は一緒なんだし、オレん家にみんな来る?」 友治の家も葵と同じアパートの一室だ。葵は二階、友治は三階だけども。 「お前、どういうつもりでそれ言ってる?」 「どういうって、みんなでやった方が楽しいかなって」 「ゲームやるノリでそんなこと言うなよ……」 なあ、と理人に同意を求めようとしたけれど、慣れているのか、理人はははは、と笑っているだけだ。 「オレは壮太次第で、どちらでも」 「理人は一緒にいなきゃだめだろ」 「……だそうです、山下さん」 理人は友治に苦笑しながらそう言う。 何故複数プレイについてそこまで寛容なのか、友治には理解できなかった。 が、皆が同意する中で一人だけ拒否するのもなんともし難い。 「わかった、それでいいよ」 結果、同意せざるを得なかった。 壮太はにこにこ笑っているし、葵はいつもの読めないイケメンスマイルを浮かべている。 理人は慣れているのか、表情一つ変えずに残った料理を食べている。 「お前ら、なんなんだ……」 「仲がいいだけだよ」 そう言う葵が一体何を考えているのか、それを知りたいような知りたくないような。 「ああ、そう」 今はただ、そう言うしかなかった。

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