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山下友治 9
「じゃあ壮太、こっちはこっちで楽しもうか」
「あ、んっ……」
葵が壮太の首筋に舌を這わせると、壮太は頬を赤らめて気持ちよさそうな声を上げた。
事を始めるのはいいが、もう少しタイミングを見計らってくれないだろうか。
いや、葵のことだ、きっとわざとやっているに違いない。
葵に攻め立てられる壮太を見ていると、下半身がぞくり、と反応してしまった。
「理人くん」
扇情的な光景を見せつけられてずっと我慢していられるほど友治はできた大人ではない。
「いい?」
確認しながら理人を後ろから抱き寄せ、するり、と服の中に手を入れた。
ティーシャツの下は何も着ていないらしく、理人の肌を直接触れることができた。
部屋は空調が効いているので少し寒いくらいかと思ったが、理人の体は熱かった。
「……ン、」
胸の突起を指ではじくと、理人は小さく声を上げた。
が、恥ずかしかったのだろう、すぐに口を手で覆ってしまった。
「ね、返事は?」
「……ダメだったら、ここにいませんよ」
「それもそうか」
そのまま、片方の乳首を虐めながら首筋にキスを落とす。
なんだかいい匂いがした。
「理人くんは受けでも大丈夫?」
壮太の相手をするならば、きっと理人はタチをしていたに違いない。
ネコの経験があるかないかは知らないが、一応確認しておこうと思った。
もし未経験であるならばとても嬉しいのだが、なんとなく聞きにくい。
「体格的に、その方がしっくりきます」
「じゃあ、遠慮なく」
「ふっ、ぅ、」
ごめんね、と心の中で謝りながら理人の唇にキスをした。
今度はさっきと違い、深いキス。
口の中に舌を侵入させ、理人の舌を絡めとる。
どうやらキスが弱いようで、口内を犯しているだけなのに切なげな声を上げながら、理人は必死に友治にしがみついている。
「可愛いね」
唇を離すと、とろん、とした表情の理人が目の前にいた。
思わず生唾を飲み込んでしまう。
「……壮太には、勝てないです」
「負けてないと思うよ」
本当にそう思った。
確かに向こうで蕩け顔になっている壮太も可愛らしいが、酒の席でさえずっと冷静だった理人のこんな表情を見てしまうと、そのギャップだけでご飯三杯くらいはいけそうだ。
「もう一回キスしていい?」
理人はかあっと赤くなったが、拒否せず、頷いてくれた。
悪くはなかったということだろうか。
嫌悪感を抱かないということは、その先を期待してもいいのだろうか。
「……ん、」
ズボン越しに触れてみると、そこには確かな質感があった。
感じてくれている、それだけで嬉しかった。
「苦しくない?1回出す?」
「……立ったままは、辛いです」
ちらり、と葵たちの方を見る。
二人はソファで交わりあっているようだ。
床に寝転がらせてもいいが、痛くないだろうか、と心配になる。
「友治、みんなで寝室行かない?」
突然の葵の提案に驚いて、友治も理人も葵を見た。
壮太はまだ着衣したままだ。
「その方が二人の負担、少ないでしょ」
「まあ、そうだけど」
「ていうか、みんなでしない?」
「は?」
葵は突拍子のないことを言い出した。
いや、ここに来た時から何となく、そんな流れになりそうな予感はしていた。
期待していなかったといえば嘘になるし、嫌というわけでもない。
「その方が楽しいよ」
「……理人くん、どうする?」
理人は苦しそうに友治にしがみつき、目の端に涙を浮かべている。
「どっちでもいいんで、一回出したいです」
その理人の表情が色っぽく、愛らしく、ときめいてしまった。
理人のこんな表情がもっと見れるのであれば、四人プレイも悪くはないかもしれない。
「葵、移動するぞ」
「うん、わかった」
葵も相当癖のある性癖の持ち主だけど、自分も他人のことは言えないな、と友治は心の中で苦笑した。
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