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立花理人 8
「壮太、理人くんの唇おいしい?」
葵が壮太に尋ねると、壮太はこくん、と頷いた。
「そのまま、食べてな?」
「んっ、んふうっ……!ん、んんっ!」
葵が腰を動かし始めた。中で二本の男根がうねり、壮太を快感の波が襲う。
「壮太、どう?もっとほしい?」
壮太は唇を離し、ほしい、と懇願した。
「もっと、ぉ……!葵さ、理人、もっと、もっと犯してぇ……!」
「厭らしいな、壮太」
「あ、はあ、あああっ!あはっ、は、あ――!」
理性を保っていた糸がぷっつりと切れ、壮太の意識はトリップしているようだった。
「理人くんは?」
後ろから友治に尋ねられ、理人は困惑した。
正直、そこまでヨがる壮太が羨ましかった。中で理人のペニスはこすれ、もう色々限界を突破しそうで。
理人も快感がほしかった。気持ちよくなりたかった。
「出したい……イきたい……山下さん、オレ、」
「了解!」
「ふ、ぐうっ!!」
友治もピストン運動を始めた。
前が擦れ、後孔も犯され、頭がおかしくなりそうだった。
「あ、ああ、で、る……壮太、ごめん……!」
「りひ……ああ、ちょーだい、精子いっぱい、出してええ!」
あっという間の射精だった。
早すぎて恥ずかしいくらいだ。
だけど、理人が射精しても友治も葵も動きを留めない。
それどころか、動きは激しさをどんどん増していく。
「あ、あんっ、あ、むり、イッた!イッた、からぁ!」
「でもオレたちまだイってないし」
「うん、理人くん、もう少し友治に掘ってもらって?」
「そんな、あ、あんっ、ん、ん、ああっ!」
壮太ではないけれど、本当におかしくなりそうだ。
油断したら意識が飛んでしまいそうになる。
いっそ理性なんて蹴散らして、壮太のように感情だけで過ごすことができれば楽かもしれないし、快楽に溺れた方が気持ちいいかもしれない。
正直、あられのない壮太の姿が羨ましかった。
きっと自分は理性が邪魔して最後までそうすることはできない。
だから、苦しい。
これ以上感じてはいけない、痴態を晒してはいけないという気持ちともっと気持ちよくなりたいという気持ちが理人の中で戦っていた。
「り、ひと、ちゅーして、ぇ!」
そう言って、理人からのキスを待たずに再び壮太に口付けられた。
優しく甘いキスに頭の中が蕩けてしまいそうだった。
キスをされている最中も、後孔は犯され続け、もう中はぐちょぐちょだった。
「壮太……」
「りひとぉ……!」
お互いに助け合うように抱き合い、唇を食み合う。
その姿は葵と友治の目にはどのように映っているのだろう。
理人には分からない。
「はは、可愛いことしてくれるね、壮太」
葵は額に汗を滲ませながら壮太の体をぐ、と引き寄せた。
刹那、理人の中を友治の男根が最奥まで貫いた。
声にならない叫びをあげ、理人は壮太に抱きつくようにしてぐったりと倒れこんだ。
中に熱いものが注がれるのが分かる。
どうやら友治も達したらしい。
それは葵も同じようで、肩で息をしているようだった。
「あー、お前らエロすぎ」
友治がため息交じりに言う。
正直、自分がエロいだなんてこれっぽっちも思っていないので理人はその言葉が自分に向けられていることに気付かなかった。
「ね、よかったでしょ、みんなでやるの」
得意げに言う葵に、そうですねー、と棒読みで友治が答える。
「……あの、」
理人も汗だくだ。
理人だけではない、壮太だって汗でしっとりしているし、行為の余波でぼんやりしている。
「シャワー借りても……?」
「後処理手伝おうか?」
爽やかイケメンスマイルでなんてことを言い出すんだ、この葵という男は。理人は丁重にお断りし、壮太を抱えて風呂場へ向かった。
あのドエス組とのシャワーなんて嫌な予感しかしないからだ。
「タオル出しとくね」
「ありがとうございます」
理人はそう答えて、壮太と共に浴室へ入っていった。
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