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「あぁ…紅鳶さ…っやっぱりいけません…誰か来たらっ…あっ!」
「いいから黙ってろ、良くしてやる」
滅多に人の来ない倉庫に連れてこられたアオキは、積み上げられた段ボールの上に押し倒されていた。
ワンピースを捲り、口に咥えるよう指示される。
「ほら、声が出ないよう咥えてろ。見つかったらまずいだろ」
まずいと言うわりに紅鳶はひどく楽しそうだ。
彼とアオキは決して恋人同士というわけではない。
けれど、彼とは営業中のちょっとした隙間にこうしてこっそりと身体を重ねるようになっていた。
あくまで指導として。
最初はアオキも真剣に指導を受けていた。
紅鳶は入店したばかりで右も左も分からないアオキに熱心に色々教えてくれていたし、アオキ自身も人気ウエイターの紅鳶から指導してもらえる事を光栄な事だと思っていた。
しかし、指導は段々とエスカレート。
今ではこの指導も重ねる毎にハードさを増していっている。
本来ウエイターとウエイトレス間での肉体関係は禁じられている。
いくら指導といえども、だ。
見つかればアオキは確実にクビになるだろう。
紅鳶だって売れっ子とはいえお咎めを受ける羽目になるかもしれない。
しかし、禁忌とわかっていてもアオキはこの行為を断れないでいた。
理由はただ一つ。
指導を受けるうちにいつしか紅鳶に想いを寄せるようになっていたからだ。
理由はなんであれ、彼に触れてもらえるならどんな口実だってよかった。
これが指導でも、紅鳶にとってただの暇つぶしでも…
恥ずかしげに瞼を伏せると、アオキは紅鳶に命じられた通りスカートを捲り裾を唇に挟んだ。
「相変わらず良い眺めだ」
紅鳶はアオキの姿を舐めるように見つめながらうっそりと呟く。
店の方針で制服の下には下着を身につけない決まりだ。
当然ウエイターも皆そうなのだが、ウエイトレスの制服であるワンピースは丈がありえないほど短く、歩くだけで揺れるスカートの裾からチラチラと見えてしまう。
最近少しだけ慣れてきたが、初めの頃はあまりの羞恥にもじもじしとして客にコーヒーをこぼしたり、トレーを落としたり、何度粗相をしたかわからない。
それでも紅鳶はその度にフォローしてくれた。
優しくてかっこよくて何でもスマートにこなしてしまうその紅鳶が、今アオキを見ている。
誰でもない、アオキを。
そう思うと全身に鳥肌が立ち背筋が粟立っていく。
熱い眼差しと興奮のせいでアオキの半身はむくむくと首を擡げていった。
「恥ずかしいのか?」
足をもぞつかせていたアオキはコクリと頷いた。
好きな人に股間を見つめられて正常を保っていられる人間なんているだろうか?
「恥ずかしがってどうする。これが仕事だろう?」
男臭い笑みを浮かべて紅鳶が笑う。
アオキは唇に挟んだスカートを噛むとそっと瞳を伏せた。
「さっきは手でやってやったから今度は口でしてやる。しっかり立ってろよ」
紅鳶はそう言うと、半分勃ち上がったアオキのものをなんの躊躇いもなく口に含んだ。
「ふ…うぅふ…ぅっ」
彼の形のいい唇が、アオキの性器の先を柔らかく食む。
生温かい口の中の感触と滑った舌先にペロリと舐められて、アオキのそこはあっという間に硬さを増していった。
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