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「ふ…っん…っん」
鼻から抜けるくぐもった喘ぎ声に混ざって、濡れた淫靡な水音が響く。
紅鳶の口淫は相変わらず凄かった。
舌が鈴口をくるみ亀頭をねじ伏せてきたかと思うと、唇で思い切り吸いつかれる。
その度に先端から溢れる我慢汁をジュルジュルと音を立てて飲み下された。
「ビクビクしてるな…もうイきそうか?」
唇を離した紅鳶が今度は指先で竿の部分を悪戯に擦ってくる。
アオキはこくこくと頷いた。
凄絶な口淫に翻弄されて、下腹部はひっきりなしに波打っている。
もう幾分も耐えていられそうにない。
しかし紅鳶は、濡れた先端を丸みに沿って指に挟み込むと酷薄な笑みを浮かべた。
「まだダメだ。こっちも一緒に弄ってやる」
足を開かされ、尻肉に挟まれた秘部を露わにされる。
さっき、客の目の前で散々弄られていた後孔は突然暴かれたにも関わらず、まるで待ち侘びていたかのようにいやらしく蠢く。
恥ずかしいのに、期待の方が勝りヒクつく括約筋の動きを制御できない。
紅鳶はギャルソンのエプロンのポケットから小さなボトルを取り出すと、長い指に中身を纏わせた。
粘ついた液体が淫らに糸を引く様を見つめながらアオキは小さく息を飲む。
あの指で今から自分の中を弄られるのかと思うと、得体の知れない興奮と喜悦に全身が戦慄き弄られる前からイってしまいそうだ。
期待の籠った眼差しで手元を見つめるアオキをチラリと見上げて、紅鳶はクスリと笑った。
「そんな顔するな。もっと虐めたくなる」
片手で肉を割り開き、ローションを纏った指先が襞を掻き分けてツプリと差し込まれる。
「ふ…っ…んんん…うっ!!」
アオキは思わず背中にある段ボールに爪を立てた。
しかしカリカリと表面を何度か引っ掻いただけで、すぐに力が抜けていく。
すでに立っているのがやっとな状態だ。
その間にも彼の指は抜き挿ししながら深度を深め、アオキの中の感触をじっくりと探っていく。
スカートを挟んだ唇がわなわなと震える。
口を閉じていなければ、声を押さえなければと思えば思うほど唇は勝手に開き甘い喘ぎを生んでいく。
ぐちゅ…といういやらしい水音とともに柔らかく綻んだ肉洞を掻き回されて、アオキはとうとう唇を離してしまった。
「ああんっ…そん…なっ…いやっ…、ひぁっ…」
腰が勝手に跳ね上がり、言葉とは裏腹に自ら良い所に当てようと妖しくくねる。
媚肉は蠢き彼の指をもっと味わいたいと懸命に吸い付いていた。
「は…んんっ…紅鳶さ…いく…っ、いくぅっ…」
下腹部の引き絞れられるような切なさを訴えながら紅鳶を見下ろす。
そこでようやく気づいた。
咥えていろと命じられたスカートの裾を離してしまったせいで、紅鳶の顔はすっぽりとアオキのワンピースの中に隠れてしまっている。
直ぐに捲らなければ…と思う反面、あの売れっ子の紅鳶がアオキのスカートに潜り込んでいやらしい事をしているのかと思うとまた得体の知れない愉悦が襲ってきてアオキは思わず躊躇ってしまった。
「誰が離して良いと言った?」
咎められてドキッとする。
顔が見えないため表情は窺えないのだが、紅鳶の声色が思いの外穏やかでホッとした。
どうやら怒ってはいないらしい。
「これじゃあ、お前の匂いが濃くなってますますおかしな気分になるじゃないか」
しかし次の瞬間アオキを襲ってきた信じられない感覚に再び段ボールに縋りつく羽目になった。
後孔を弄りながらの口淫が始まったからだ。
獰猛な手つきで抜き挿しされながら、勃起した陰茎をこれでもかという程情熱的にいやらしくしゃぶられる。
あまりの壮絶な快楽に無意識に腰が逃げ打つ。
しかし股ぐらから差し込まれた腕によってガッチリと固定されて、引き寄せられた。
密着度が増し、逃げ場を失ったアオキの股間に容赦のない愛撫が襲う。
その上、スカートで見えない分接触の感覚が研ぎ澄まされ、アオキはいつも以上に快楽を感じさせられていた。
「ああぁっっん…いくぅ…いっちゃうっ…っ!!あ、あ、あ、…」
肉体はあっという間に高みへと押し上げられていく。
アオキは迫り来る絶頂を歓喜の喘ぎで訴えた。
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