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陰茎を舐めしゃぶられ、内側を嬲られて、立ったまま絶頂を極めたアオキは法悦の余韻に恍惚としながら下腹部を戦慄かせていた。
紅鳶がアオキがイった後も性路に残った残滓まで吸い尽くそうと啜り上げてくるものだから快楽が全く引いていかないのだ。
ジュルジュルとしつこく吸われて、アオキはついに啜り泣きはじめた。
「ぁ…紅鳶さん…もう…っ」
スカートを捲り、もう勘弁して欲しいと訴える。
すると紅鳶はチラリとアオキを見上げると、漸くその口から陰茎を解放した。
唇との間に卑猥な糸を引きながら、彼の口内からアオキの濡れた屹立がずるりと出てくる。
同時に後孔を穿っていた指が引き抜かれて、アオキは背筋をブルリと震わせた。
「ふあ…あぁあぁっ」
もしかしたら今のでまた軽くイってしまったかもしれない。
「またイったな?」
見透かされてアオキは顔を赤らめた。
彼にされると身体が馬鹿になる。
まるで底なしのように何度もイって感じてしまうのだ。
しかし、客に対する感度は逆だった。
こうして指導を受ける度、紅鳶に対しての感度は増し、客に対してへの反応は薄くなっていっているのだ。
彼は売れっ子だ。
一度紅鳶を知った客のほとんどはまた紅鳶を指名する。
それほど彼が上手くて、また中毒性が高いという事だ。
アオキもこのまま淫らな事を続けていたら、誰かに見つかるより先に紅鳶のみにしか反応しない肉体になってしまうかもしれない。
そうなってしまったらもうここで働けなくなる。
しかし、そんな危惧よりもアオキの中では少しでもこの関係を続けたいという欲深さの方が勝っていた。
立ち上がった紅鳶は、アオキに覆い被さるように身体を密着させてくるとまだ荒く息を吐く唇に噛みつくようにキスをしてきた。
捻じ込まれた舌先から、青臭い香りが鼻を突く。
「…んっ…んんっ」
角度を変えて深く濃密になっていく口づけに酔いしれながら、アオキは再び自身が硬さを増していくのを感じていた。
キスをされているだけなのに膝から力が抜けていって立っていられなくなってくる。
紅鳶は片手でアオキの細腰を支えると、蕩けたアオキの表情を見つめながら唇を離した。
飲み下せなかった唾液が口端から溢れ顎を伝って落ちていく。
それを辿るように今度は大きな手がアオキの頬から首筋を滑り、鎖骨をなぞって降下していく。
元々開き気味の制服の胸元をズルッとずり下げられると、そこにはすっかり起ち上がった尖端の実がふっくらと色づいていた。
その木苺のような実を紅鳶の指先に挟みこまれる。
そのままクリクリと弄ばれてアオキは小さく悲鳴をあげた。
「っ…あ…っダメ…です」
ビリビリとした快楽が下腹部を直撃して、思わず紅鳶の指先を制止するような動きをしてしまう。
「何だ、恥ずかしいのか?」
アオキの手をやんわりと払い退けて、再び粒を転がされた。
「あ…あん…っんんっ……だって…すぐ…っ」
もごもごと口籠もっていると、紅鳶がアオキの肌の弾力を楽しむように胸を揉みしだいてきた。
強く鷲掴まれ硬く尖った乳首をくびり出すようにしてアオキに見せつけてくる。
「すぐ…?何だ?」
紅鳶はやんわりと訊ねながら顔を近づけてくると、期待に勃起した小さな粒をかぷりと口に含んできた。
「んんっ…やっ…あぁあぁ!!」
まるで雷でも落ちたかのようにそこから電流が走り、下腹部を容赦無く刺激してくる。
アオキは背中を反らして何度も喘いだ。
性器ではないその場所はアオキの感じやすい場所であり、また弱点でもある。
これも偏に連日の卑猥な指導のおかげ…というのだろうか。
散々開発された乳首は、今やアオキにとって第二の性器と呼べるほど敏感な場所になっているのだ。
「ふぅ…っつあぁ、んんっっ」
舌先で転がされ、唇で吸いつかれ、時折歯を立てられて…甘い苦悶に眉を顰めながらアオキは迫り来る絶頂に腰を揺らめかせた。
もうきている。
快楽の波がすぐそこまで。
「あの…誰かいるんですか?」
突然どこからか声が聞こえてきて、だらしなく蕩けていたアオキはハッとして我に返った。
滅多に人の来ないこの倉庫に、アオキと紅鳶以外の誰かがいる。
紅鳶も同じように動きを止め、声がどこからかするのか相手の気配を探っている。
ついに見つかってしまったかもしれない。
アオキの胸を不安が過ぎる。
いずれこうなってしまう事はわかっていたくせに、いざ目の前にそれが起こるとどうしていいかわからない。
絶望感と焦燥感が押し寄せてきてアオキはふるふると震え出す。
するとすぐさま紅鳶がアオキの後頭部を支え、自分の胸に抱き寄せてきた。
隆起した筋肉で引き締まった紅鳶の胸板に押し付けられてアオキは真っ赤になりながら胸を震わせた。
しっとりとした肌の下ではどくどくとした力強い紅鳶の鼓動を感じる。
その鼓動に安心しろと言われているようで、アオキの不安はあっという間に丸め込まれ消えていった。
「大丈夫だ、まだバレてはいない。静かにしてろよ」
ひっそりと囁かれて、アオキは小さく頷いた。
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