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待ち侘びた挿入に、アオキは白い喉を反らすと一瞬意識を飛ばした。
気がつくと下腹部は圧迫感でいっぱいになっている。
声を出さなかったのが奇跡だと思う。
紅鳶はいきなりアオキの最奥を突き上げてきたのだ。
襞を目一杯拡げられ、紅鳶の形をなぞる肉壁がひっきりなしに波打っている。
またイってしまったかもしれない。
しかしもうそれを確かめる余裕なんてなかった。
グジュ…と果実を潰すような音を立てながら紅鳶の男根がアオキの中を掻き回しながら突き上げてくる。
「はっ、はっ、はぁっ…っっ」
吐く息が次第に荒くなり少ずつ声が漏れはじめた。
こんな事していたらマツバに見つかってしまう。
声だっていつまでも我慢できるわけない。
しかしやめなければと思えば思うほど、アオキの意思を無視して肉体は更には燃え上がっていく。
アオキは淫らに腰を揺らすと、涎を垂らして喜ぶ屹立を紅鳶の引き締まった腹に擦り付けた。
「相変わらずお前の中はいい具合いだ…」
熱っぽい吐息とともに低い声で囁かれて、アオキは自分の中がキュウッと締まるのを感じた。
中にいる紅鳶の形を意識してしまい、余計に感じてしまう。
精路を駆け上がってくる覚えのある感覚に、アオキは紅鳶の腕に縋りついた。
「紅鳶さん…んんっ…っ出そうっ…ですっ…んっ」
「もう少し我慢してろ。まだ奥まで這入ってない」
とんでもない事を言われて、アオキは思わず声を上げてしまった。
「お、奥…って……だめです!……っせめてマツバが出て行ってから…」
「紅鳶さん?あの…誰かと一緒ですか?」
マツバの不思議そうな声が聞こえてきて、紅鳶が咄嗟にアオキの口を塞いでくる。
息苦しさに加え、掌から紅鳶の匂いが鼻腔を突き抜けてきてクラクラと眩暈がした。
だめ、そんな事をしたら…もう止められない。
「いや?それよりも探しものはあったか?」
怯えと期待でなんとも言えない表情になっていると、紅鳶はニヤリと笑い一度楔を引き抜くと、アオキの身体を反転させてきた。
低めの段ボールに手をつくよう促すと、グイと腰を持ち上げられる。
嘘だ、まさかこの奥を突きやすい体勢で…
アオキは「…だめ、だめ」とか細く呟いた。
今S字 を責められたらどうなるかわからない。
きっと酷く乱れて泣き喚いてしまう。
わなわなと震えていると、容赦なく尻を開かれ先ほどより一回り大きく育った紅鳶の怒張がバックから挿入された。
それは柔らかく綻んだアオキの肉壁を拡げながら最奥の先にある薄い膜を抉じ開けて侵入してくる。
「………〜〜〜〜〜〜っっ!!」
挿入の衝撃と同時にイってしまったのか、濡れた性器から滲み出てきた愛液が床にポタポタと落ちていく。
凄烈な快楽に目の前が真っ白になり、光の粒がチラつくのが見えた。
紅鳶に口を塞がれていなかったらきっと絶叫していただろう。
「あ!紅鳶さんありました。ありがとうございます!!」
マツバの明るい声を聞いて、中がぎゅうぎゅうと蠕動する。
信じられない事に、いつ見つかってしまうかわからないというこのギリギリの状況にも感じてしまっているのだ。
アオキは淫らに尻を揺らしながら、心の中でマツバに謝った。
アオキの泣き所であるカーブに到着した紅鳶の昂りもいつもより太く熱く感じる。
もしかしたら彼も興奮しているのかもしれない。
背後から時折聞こえる吐息に胸が熱くなる。
アオキの身体で感じてくれる事が何よりも嬉しいのだ。
中を締めつけると、仕返しのように紅鳶の怒張が泣き所にぶち当てられ小刻みに振動と刺激を与えられた。
「あの…紅鳶さんこんな事聞くの失礼かもしれませんが、もしかして…」
マツバが何かを察したように言葉を濁しながら訊ねてくる。
ドキッとしながらもアオキはもう自分が限界である事を感じていた。
もうどうにでもなってしまえ。
半ばヤケクソな気持ちになるとアオキも大胆に腰を揺らし始めた。
紅鳶の奥を穿つ動きとシンクロして、また一回り大きな快楽の渦が生まれてくる。
イく、イく…
凄いのがくる!!
アオキは言葉の代わりに眼差しでそれを伝えると、塞がれた紅鳶の手のひらを必死に舐めた。
「もしかして…ご気分が優れないんじゃないですか?」
一際腰を強く押しつけられて、アオキの中に飛沫が叩きつけられた。
熱い奔流がどくどくと流れこんでくる。
その衝撃と同時にアオキも盛大にイった。
脈打つ紅鳶の男根を締め付けながら、全身を痙攣させて二、三度絶頂を味わった。
媚肉を濡らされる感覚にも感じてしまい、もはや自分がイっているのかそうでないのかもわからない。
「いや、気分はいい、…っ、最高だ」
紅鳶はうっそりと笑うと、ガクンガクンと壊れた人形のように痙攣するアオキの背中やうなじに唇を落としてきた。
「そうですか、なら良かったです!ではゆっくり休んでくださいね」
紅鳶の言葉を聞くと、マツバは安心したように倉庫を出て行った。
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