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「せっかく学校きたんだから授業出たら?」 「唯斗に言われたくない。俺は次の時間から出る」 「1時間前も聞いたよ、それ」 結局、学校に着いたのは2時間目の途中で、今から出てももう出席扱いにはならないし、とりあえず食堂へ向かう。学校に向かう最中に、涼ちゃんの連絡は途絶えた。よくあること。 急に行く気を無くしたのか、もっと楽しいお誘いが舞い込んできたのか。 そう思っていたのに、誰も居ないはずの食堂には見慣れた金髪があった。 「涼ちゃん。きてたんだ。」 「うん、でも間に合わないから次から出る〜」 そして、2時間目終了のチャイムが鳴って、3時間目開始のチャイムを聞き流し、冒頭に至る。 涼ちゃんが言ってることはごもっともで、俺も授業に出なければとは思っているんだけど。 でも俺は涼ちゃんほど馬鹿じゃないし、試験ではまあまあ良い点を取れているし、なんて、そんなことはただの言い訳で、今この瞬間に俺との時間を選んでくれた涼ちゃんの側を離れたくない。ただそれだけ。 この気持ちは、涼ちゃんにバレているんだろうか。 「唯斗は4時間目なに?」 「現国。涼ちゃんは?」 「英語。あ、おんなじ北校舎じゃん」 何かを思いついたようにニコッと笑った涼ちゃんが、向かい側からテーブルに乗り上げて俺にキスをした。 ああ、バレてるか。 3時間目まで一緒にサボって、次はふたりとも北校舎で、北校舎には空き教室があって。 食堂飽きたしもう移動しよーって立ち上がった涼ちゃんが考えてることと同じこと、俺も考えてる。 ほら、俺ら多感な高校生だから。 刺激的で危険なことに飢えてるんだ。

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