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案外大人しく教室に向かった涼ちゃんを見送って(絶対サボると思った)俺は重たい腰をさすりながら現国の授業へ。 涼ちゃん、今日は一日学校に居るのかなあ。 一番後ろの席で、チョークを鳴らしながら淡々と話す先生のネクタイ辺りをただぼーっと眺めながら頭の中はずっと涼ちゃんのことを考えてる。 つい最近、涼ちゃんは彼女と別れたばかりだった。 それを聞かされたのは3週間前、金曜日の夜で、学校の帰り道にゲーセンに寄って、その後はいつも通り涼ちゃんちに行った。 なんとなく元気が無い気がしてたけど、俺が一歩踏み込んだ話をしようとすると、涼ちゃんは咥えてたタバコを右手で挟んでベッドにごろんと寝転んだ。 俺はベッドに頬杖をついて綺麗な横顔を眺める。 涼ちゃんは何か言いたそうな顔をしてたから、黙って待つことにした。 「俺、昨日彼女と別れたんだー」 大きく煙を吐き出した涼ちゃんが目線だけをこっちに送って、少し笑いながらそう言った。 内心、なんだ、そんなこと?って思ってしまった俺は、だって涼ちゃんが女の子のことで考え込んだり気持ちが揺れたりするタイプじゃ無いと思ってたから。 てか、特定の彼女居るのも知らなかったし。 「そうなんだ。知らなかった。いつから付き合ってたの?」 「んー、1ヶ月くらい、前?唯斗に言ってなかったっけ」 「涼ちゃんならすぐ次の子見つけちゃうでしょ」 「まあね、俺かっこいいから」 気まぐれで意地悪で、その割には俺の気持ちを掻き乱すように無邪気に笑ったりして。 涼ちゃんが俺を選んでくれたら、どんなに幸せなんだろうか。

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