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放課後、涼ちゃんからの連絡が途絶えた。
多分帰っちゃったんだと思う。今日は別の人と遊ぶのかな、そう思ったら胸がぎゅってなったから、考えるのはやめた。
昼間のセックスが嘘だったみたいに、いや、あんな抱かれ方したせいだ、寂しさが込み上げてくる。
馬鹿みたいだなあ。俺ばっかりが涼ちゃんに依存してる。何でもない顔して友達みたいに遊んで、心の中では愛おしくて堪らなくて、それがひっくり返って憎らしく思うこともある。
この気持ちが成仏することはあるのかな。
「唯斗だ」
「わ、びっくりした」
いつもの道を音楽聴きながら歩いてたら、正面から涼ちゃんが手を振ってた。
全然前を向いてなくて気付かなかった。
帰り道?じゃあね、って笑って通り過ぎた涼ちゃんの隣には、長い髪を綺麗に巻いた制服の女の子がいて、俺はスローモーションみたいに二人の後ろ姿を目で追った。しきりに涼ちゃんに話しかけては楽しそうに笑ってる女の子。
その光景にもう途方もなく、虚しさが溢れて息が止まりそうだった。
いろんな感情が入り混じって自分でもよく分からなくて、ただひたすら、このまま消えてしまいたいと思った。
その日初めて、俺は涼ちゃんからの電話を無視した。
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