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彼の好み リベンジ
「さっちゃん、変なこと聞くんだけどさ………」
「はい?」
「……………あいつの誕生日とか知ってる?」
「………………………………」
「………………あいつって?」
「さっちゃん!!!言う前からニヤケてっから!!!!」
「あっはっはっひっひっ…………す、すみませんもぉ……………かっわいい…………!!!」
「いやもうほんと恥を忍んで聞いてんだから…………」
「すいばせっ、げっほごほっ、」
笑いすぎて真っ赤になる幸に負けず劣らず、敬吾も赤面して幸の咳が治まるのを待った。
なんだって、こんなこっ恥ずかしい思いをせねばならないのかーーー。
「はーーーーーっ、すみません、あーーー笑ったーーー………!」
「ほんともう勘弁してよ…………」
「もぉー……じゃああれですか、敬吾さんもらっちゃった感じですね?」
「そーーなんだよ…………」
げんなりと頷く敬吾を見つつ、やっと平常心を取り戻した幸は「逸くん悩んだでしょうねえ」と微笑む。
「高けりゃ嬉しいってタイプでもないしなー、服とか難しいし………なんなら消耗品を喜びそうだし」
「さっちゃん今日辛辣じゃない?的確だけど」
「ありがとございまーす。それでね敬吾さん、あいつの誕生日なんですけど」
「あい……うん」
「きっかり11ヶ月後です。」
「えっ?」
「過ぎてます」
「…………………」
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