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彼の好み リベンジ 4
「岩井」
「はいー」
「ギブ」
「待って敬吾さん、早い諦めるのが早い」
ぐっと敬吾の肩を掴み、逸は深々と落ち込んだ。
「もうちょっと頑張りましょう!その話したの一昨日ですよ?」
「二日考えて出なかったらもうあとなんも出ねーよ」
「気が短い……!」
どさくさに紛れてそのまま敬吾を抱き竦め、嘆くふりをして首に頬を擦り寄せる。
(そういうとこも好きなんだけどさあ…………)
せめて一応は恋人である自分のことくらい、もう少しだけ長くは考えてくれないものか……………。
その逸の胸中を察したかぺんぺんと頭を叩き、敬吾が口を開く。
「考えた方だってばこれ」
「えーーー………」
拗ねたふりをしながら甘えた声を出す逸が、どうにもいじめてやりたくなる。
「……。じゃああれだ、駄菓子の詰め合わせやるよ」
「えっ!!?」
「いいじゃんお前駄菓子好きだし。チョコマシュマロとかなんかあの電卓みてーなグミとかチョコ棒とか山のように二万分くらい」
「やですよぉ!!」
「ほらそうなるだろーが!なら指定しろっつーの!」
「えーーーーーっ……」
肩は掴んだまま体を離しこれでもかと眉を下げる逸に、金貸しよろしく敬吾はその頬を指の背でひたひたと叩いた。
「おら。」
「……………………………」
「………………………。」
「……………考えときます……………」
「おう」
「…………こんなはずじゃないんだけどーーー!!!!」
「はっはー」
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