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アクティブレスト 25
「ーーんっ、ん………っあ…………」
「敬吾さん………綺麗です」
微睡んでいるような、波間に揺蕩うような暖かな熱情に敬吾は揺すぶられていた。
重く、しかし優しく突き上げられ続けて、緩やかに溺れているような気分だ。
ただ快感の波に揉まれ、流されることしかできないが苦しくはない。
逸が優しくて優しくて、怖くなるほどだった。
が、やはり、嬉しいーーー
「敬吾さん、少し………強く、しますね」
「うん………」
その言葉も、まさに敬吾が欲しいと思った折で本当に恐ろしくなる。
この男は、もしや自分が考えていることが分かるのだろうかとーーー
「あ…………っ」
「敬吾さん………」
こんな、昼日中から。
それでも今耽っている快楽は、淫らだがふしだらではなく………暖かくて柔らかで、なにか補填するような、あるべき姿であるためのような、不思議な正当性を感じさせた。
後ろめたさも気恥ずかしさも、何もない。
こうすることが、必要だ。どうしても。
ただベッドだけが、不服そうに抗議の声を上げ続けている。
「敬吾さん………綺麗です、たまんね…………」
陶酔するようにそう言って逸が見下ろす敬吾は、堪えきれない声で小さく逸の名前を繰り返していた。
それがまた、たまらなく可愛らしい。
敬吾はどちらかと言うと年嵩に見られる顔立ちをしているが、それをこんな風に歪めて感じ入るとこうもあどけない顔になるだなんて、自分以外は絶対に知らないはずだ。
こんな風に名前を呼ばれるのも自分だけ。
いつもならば凶暴な色になる独占欲も今日は変貌しない。
ただ純粋な歓喜と興奮に、逸は更に激しく奥まで穿った。
敬吾は更に必死で声を堪えて、逸の肩に爪を立てる。
(可愛い………………っ)
ーーと。
またそこに、着信音。
逸は肩の間に頭を垂れ、一度身震いした。
「っあーーーくそっ誰だよ!!」
自分の前では見せないーーあまり、だがーー粗暴さに、敬吾は朦朧としながらも驚いたように瞬く。
逸はちらりと画面を見ただけで、着信を受けようとも切ろうともしなかった。
個人的には無視一択だが、そういったことを嫌うのが敬吾だ。
逸の視線にその伺いが含まれているのをなんとなく感じて、敬吾は困ったように眉を下げる。
「ーーーーで、……出ないで、いい………」
逸は泣き顔に笑って愛しいことを言ってくれる唇を食んだ。
その間止まっていた逸の腰がまた徐々に揺らぎ始めて、夢中になり始めるといつしか着信音が途切れる。
その後もその不愉快な音は二度ほど流れたが敬吾はほとんど気にも留めなかった、がーー
ーーそれが鳴っている間だけやたら激しく突き上げられるのだけは、閉口してしまった。
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