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第3話チョーカー
ある日の午後
「グレーさん荷物が届いてますよ」
そう言ってピンクから手渡された小包を
グレーは早速開けて中を見た
「あ、可愛いチョーカーですね」
「ああ特注品でね」
「小さな鈴が付いてるけど…
猫ちゃん用にしてはサイズが大きくないですか?」
「いやこれでいいんだ」
猫か…確かになと思った
ホントに気紛れでちっともなつかないし
困った子猫ちゃんだよ俺の愛しい人は
そんな事を思いながらチョーカーを小包から取り出しポケットに入れた
その日の夜も廊下の隅で機能停止し
うずくまった状態のクリスタルを見付ける
「また君はこんな所で、探すこっちの気も知らずに」
膝をつきそっとクリスタルを抱き寄せる
儚くいとおしくしかし想いは未だ届かず
意識の無いクリスタルの喉元に爪を立て
「ここに消えない傷でもつけてやろうか」
感情のままに呟いてみた
誰のものでもない
俺の…俺だけのものだという印を刻んでやりたい
そんな衝動に駆られる気持ちをぐっと抑えて
ポケットからチョーカーを取り出しクリスタルの首にはめた
何色にも染まることのない無色透明の君
明日、君はこれを見て喜んでくれるだろうか…
そしてゆっくりとクリスタルを抱き上げ部屋へと運んだ
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