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第15話
-俺の頭の中が冷えていく。
俺は蓮を見詰め、蓮も俺を見詰める。
息が止まる。
時が止まる。
次の瞬間-。
蓮は弾かれたようにその場から踵を返し、かけ去っていく。
(…………蓮…………っ!!)
「…………れ……………っ!!」
蓮が動いた事で我に返った俺は、蓮の名前を叫ぼうと口を開いて………………。
いつの間にか近付いてきていた直人が、俺の開けた口の中にタオルを突っ込んだ。
(………蓮ーーーっ!!)
「………ううーーーっ!!」
見えなくなっていく蓮の背中。
(…蓮を追いかけないと……っ!!)
口の中に押し込まれたタオルを急いで取り除き、起き上がろうとしたが………。
「…何、やってんの…しっかり締めて、気持ち良くして」
ウットリとした顔をして腰を動かしている勇士の下から放れようと暴れる。
「…ふざ、けんな……っ!!……早く……離れろ……っ…蓮が……蓮を…追わないと……っ」
「駄目だよ…っ…ボクをもっと気持ち良くしてくれなくちゃ……っ……ほら、早く……もっと腰振って……もっと締めて……ボクをイカせて……っ」
「……よせ……っ……放せ……っ……放せーっ!!」
両手で勇士を押し退けようとするが、勇士は笑いながら俺の両足首を掴むと、限界まで左右に広げ腰を激しく動かす。
「…ああ……っ……止めろ……放せ……止めろ……っ!!」
両足を動かそうとしても、勇士にしっかりと掴まれていて動かす事ができず、両手を振り回すが、勇士には届かない。
「…いいね~、嫌だ嫌だと言いながら感じているってシチュエーション…遙香のモノが勃起してないのが気にいらないけど…ま、いいか…ボクが腰を動かせば遙香の腰も動くから…それで我慢するよ…ほら、ほら」
勇士が激しく腰を動かし始め…その腰の動きに合わせて、俺の腰も激しく動く。
「…嫌だ…止めろ……放せ……嫌だ……嫌……止めてくれ……っ!!」
ガクガクと揺さぶられながら、俺は両手を振り回し泣いて叫んでいた。
「駄目~、早くいつものようにボクを気持ち良くしてイカしてくれなきゃ……いつまで経ってもこのままだよ」
………いつまで経っても……………。
俺は唇を噛み締め目をつぶり、自分のモノに両手を伸ばした………。
……………………………………………………。
…………………………。
……………。
「……いいよ…いいよ……っ……もっと締めて…もっと…もっと…やっぱり遙香の身体はサイコーだね………っ」
(…早く……早く…終われ……早く……っ)
「……いい……気持ちい………っ!!」
不意に。
俺の上で腰を振って動いていた勇士の重みがなくなったと同時に俺の首は掴まれ、投げられた。
俺の身体は吹っ飛び、壁に当たった衝撃に一瞬、息が止まる。
「………何やってるんだ!!」
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